今日のお題は、豚の角煮。お家ご飯でも居酒屋でも人気で、甘辛い味が染み込んだ、とろとろ柔らかいお肉がたまらない一品です。
日本のレシピならではで、みりん固有の甘さとお醤油由来の旨味がぎっしり詰まっています。ゆえに、ワインとの『マリアージュ』は、ちょっと要注意。
でも、ご心配なく! 今回は、最近ワイン業界でちょっと注目をあびているスペイン産の赤ワイン用ブドウ種【メンシア(Mencia)】が、その実力を見せてくれました。
♦︎今日の組み合わせ:【メンシア(Mencia)】 × 豚の角煮
【メンシア(Mencia)】は、スペイン北西部とポルトガルで栽培されているブドウ品種(ポルトガル名は【ジャエン(Jaen)】)。
ざっくり表現すると、【ピノ・ノワール(Pinot Noir)】と【シラー(Syrah)】をミックスしたような味わいです。鼻を近づけると、スミレ、バラ、ラベンダーやベリーの香りがして、まさに【シラー(Syrah)】なのですが、飲んでみるとブルゴーニュのピノのよう。スムーズでエレガントな飲みごごちと、チェリーやラズベリーの風味を楽しむことができるのです。
ちなみに、スペイン最上級の【メンシア(Mencia)】を探すなら、以下のDO(デノミナシオン・デ・オリヘン)をチェックしてみてください。
・【リベイラ・サクラ(Ribera Sacra)】
・【ビエルソ(Bierzo)】
<ちょこっと補足>デノミナシオン・デ・オリヘン(DO:Denominación de Origen)
原産地呼称制度。フランスのAOC/AOPにあたるアペラシオンのスペイン版。
2008年EU版の改訂を受け、優れたワイン産地は『保護原産地呼称(DOP:Denominación de Origen Protegida)』と『保護地理的表示(IGP:Indicación Geográfica Protegida)』に分けられることになったものの、従来の呼称も使用が認められています。
♦︎『アペラシオン(Appellation)』については、以下の記事で少し紹介しているので、ご参考に。
VINUMでは、豚の角煮に【リベイラ・サクラ(DO Ribera Sacra)】の造り手フランク・マサール(Franck Massard)氏による【リシス(Licis)】を合わせてみました。
まさに、このブドウ品種ならではのマリアージュ。たっぷりのフルーツ感が豚の角煮の甘さとマッチしつつ、ワインの酸味がお肉の脂っこさを上手に中和してくれました。それだけでなく、お花とハーブを思わせる香りが全体の味わいをうまくまとめてくれたのです。
難しいかもと思う組み合わせも、ワインを選べば上手にマリアージュできるという良い例でした!