中華料理とワインのマリアージュ、実は結構難しいです。
原因は、味わいの幅が広いこと。ピリリと辛い四川料理から、酢豚のように甘酸っぱい広東料理に、旨味成分たっぷりの福建料理まで。はっきり言って、どれもワインに合わせづらい風味ばかりなんです。
それでも、VINUMでは中華料理とワインの組み合わせも、いろいろ試していきたいと思っています。家ごはんで中華なら、そのメインにぴったり合うワインを見つけることは可能なので!
今回は、細切り肉とピーマンを使った中華風炒めもの。日本でも家庭料理に取り入れられている青椒肉絲(チンジャオロース)に似た感じですが、ウイグル料理に分類されるレシピで、クミンをふんだんに使っています。ウイグルは、中国の西端にある自治区で、料理もトルコや中東の国の影響をたくさん受けています。
お肉を使ったどっしりとした料理にチリパウダーがピリと効いているので、ワインも重厚なもので、かつ、レシピの辛味と対比するように少し甘いものが良さそうです。
【モナストレル(Monastrell)】はどうでしょう? これは、南ローヌでよく使われる赤ワイン用ブドウ品種【ムールヴェードル(Mourvedre)】のスペイン語名で、フミーリャ(Jumilla)地方でも花形です。このブドウから造られるワインのお値段がお手頃なのも、魅力のひとつ。
♦︎今日の組み合わせ:スペイン産ワイン【フミーリャ・モナストレル(Jumilla Monastrell)】 × 中華風炒めもの
VINUMで試したのは、ワイン生産者マス・デルメラ(Mas Delmera)氏による【モナストレル(Monastrell)】にちょっぴりの【テンプラニーリョ(Tempranillo)】がブレンドされたもの。
これが、なんとレシピにぴったりでした。このワイン、古木から採れたブドウによる黒系果実の深みある味わいと、かすかなモカ香料が感じられ、ほんのり甘いながら良くバランスの取れた味わいを楽しむことができるのです。