ワインのテイスティングマナー、巷でいろいろ言われていて緊張してしまいますよね。
ワインのお仕事や資格勉強をしているわけでないなら、そんなに細かいことを心配しなくたって大丈夫。ワインは楽しく飲むべきであって、分析しすぎる必要はないと思うのです。
とは言っても、やっぱり正しいお作法も気になるというもの。今回は、ワインの味わいを最大限に楽しむことのできる気軽な方法を5ステップで紹介します!
ステップ1: ワインを注ぐ(量に注意!)
ここ、大事です。多くとも、グラスの1/3入っていれば十分。一般的には少ないほうが良しとされます。
デキャンタージュ効果と同じで、グラスの中の空気部分によって、ワインの香りがより豊かな開いている状態になります。また、ステップ2のワインをクルクル回す動作にも、グラス内でのスペースが必要ですよね。
ステップ2: グラスをクルクル回す
ワインテイスティングと言えば、コレ!? ワイン業界で働く人なら、グラスを手にすると無意識にやってしまうこのクセは、もしかすると周りの人をイラッとさせているかもしれません・・・。
でもこの動作、ちゃんと意味があるんです。目的は、グラスに入った適量のワインを動かすことで、ワインを開いている状態にすること。数回やさしくクルクルすればOKで、猛スピードでグルグル回す必要なんて、ないんです。
※ワインの「開いている状態」については、以下でも少し触れています。
ステップ3: 鼻を近づける
ワインの香りを嗅ぐなんて、ワイン知っている人がお高くとまっているイメージ? でも、嗅覚は舌による味覚よりも、個々の風味を感じ取るのにずっと優れているんです。
ワインをクルクル回したら、すぐにグラスを傾けて鼻を近づけてください。何度かくんくんと軽く嗅いだら、ワイン全体のイメージを考えてみましょう。とってもフルーティとか、花の香りが強いとか、土臭さがあるとか、そんな感じで十分です。
ここで、アレコレ分析する必要なんてありません。桃の香りと書いてあるのに感じられない・・・なんて心配する声も聞きますが、そんなの気にしなくって大丈夫。このスキル、数をこなせば「あー、これが桃の香りってことか」と、習得可能だと思います。
ステップ4:味わう(ここが一番!)
ワインを口にたっぷり含んだら、飲み込むのは少し我慢。もし、ワインの味わいを深く感じたいなら、ワインを舌にのせたままズズッと音を立てて少しだけ空気を吸ってみましょう。ワインと空気を混ぜることで、繊細な香りを際立てることができるんです。
この方法、家でワインを楽しむときなら大丈夫ですが、音が目立ってしまうのでレストランでは控えておくほうが良さそうですね。
では、どんなことに気をつけて、味わえば良いでしょうか?
最初に注目したいのは、ステップ3で感じた香りと同じものを味わうことができるかということ。例えば、鼻で感じたほどはフルーツの味がしないなど、香りと比べて味わいのバランスに違いがあるか意識してみましょう。とある香りはあったのに、その味がしないなんてこともあるかもしれません。上質なワインなら、香りだけでなく味わいもとても複雑なもの。
次に、酸味はあるか、フルボディかなど、嗅覚では感じ取れない他の要素について考えます。ここでタンニンによる渋みをチェックするには、ワインを飲み込んだ後に舌で上顎の前歯の後ろあたりを触ってみるのがポイント。渋みの感覚はこのあたりに残りやすく、少し乾燥したように感じるなら、タンニンの強いワインと言えます。また、シルキーかどうかなど渋みの性質を感じられることも。
ステップ5:とにかく楽しむ!
細かいお作法は、以上! あとは、料理と一緒にワインを楽しむだけです。
ときどき、気が向いたら上のステップを繰り返してみるのもオススメ。ワインによっては、開栓後しばらくしたり食べ物と一緒の方が、味わいが良くなるなど変化があることが多いからです。