『同郷のマリアージュ』とは
レシピの生まれ故郷とワインの生産地を合わせるという『同郷のマリアージュ』も、料理とワインを合わせるの方法のひとつです。
同じ土地で育つものを一緒に使った料理は古くからありますが、これはワインを選ぶときにも応用できる考え方なんです。ヨーロッパのワイナリーで作られるワインは、何百年ものあいだ地元料理と一緒に食されて発展してきているのだと考えると、なんとも納得できますよね。
とは言っても、同郷ならなんでもOK!ではないのが少し悩ましいところ。
例えばシチリアなど、赤ワインも白ワインも酒精強化ワインも生産できてしまう土地では、料理もどっしりした肉料理から繊細なシーフードを使ったものまで多岐にわたることがあるからです。そういった場合は、基本に忠実に・・・重みや口当たりなどを合わせる『マリアージュ』の他のルールにも従って選ぶことなります。
『同郷のマリアージュ』の例
この考えによって生まれたおいしい組み合わせは、山ほどあります。ここでは、ささっと6つほど。
鶏のワイン煮=コッコーヴァン(Coq au Vin)とフランス・ブルゴーニュ地方の赤ワイン
白インゲン豆とお肉の煮込み=カスレ(Cassoulet)とフランス南部・ラングドック地方の赤ワイン
シンプルなローストラムやスペイン自慢のハムとスペインの【リオハ(Rioja)】ワイン
プロシュットやパルミジャーノ・レッジャーノ、またはボロネーゼとイタリアの【ランブルスコ(Lambrusco)】
ウィーンの名物子牛のカツレツ=ウィンナー・シュニッツェル(Wiener Schnitzel)とオーストリアの【グリューナー・ヴェルトリーナー(Gruner Veltliner)】
シェーブルチーズ(山羊乳チーズ)とフランス・ロワール地方の 【ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)】
→特に【サンセール(Sancerre)】、【プイィ・フュメ(Pouilly-Fumé)】、【メヌトゥ・サロン(Menetou-Salon)】のもの
♦VINUMで紹介した組み合わせもあるので、よかったら以下からご覧ください。
これ、ヨーロッパの料理とワイン、いわゆる『オールドワールド』の組み合わせに限った話ではありません。
BBQに合わせるワインを探したいなら、オーストラリアや南アフリカなど、アウトドアを楽しむのが上手な国の赤ワインを試してみてください。フルーティで残糖度が高く、なかにはスモーキーな香りを漂わせる『ニューワールド』の【シラー(Syrah/Shiraz)】がびっくりするほどピッタリきます。
<ちょこっと補足>『オールドワールド』と『ニューワールド』
・オールドワールド = ヨーロッパの国々を含む伝統的なワイン生産国のこと
・ニューワールド = アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカなどを含む比較的新しいワイン生産国のこと
少し注意は必要でも、この『同郷のマリアージュ』、知っていて損はありません!
以下の記事も、よかったら参考にしてください。