VINUM Decanters

ワインの基礎知識

  (Last Update:2018.08.21)

本当に必要なの?ワインの『デキャンタージュ』って何のため?

『デキャンタージュ』とは。
飲む前に、『デキャンタ』と呼ばれるガラスの容器にワインを移しておくこと。

<ちょこっと補足>『デカンタ』?『デキャンタ』?
カタカナ読みは、どちらでも大丈夫。同じ意味です。

ただし、その必要性や効果は、ワイン通のなかでも意見の分かれるところで、個人の好みによるものが大きいのも事実。

ちなみに、専用の『デキャンタ』がなくたって大丈夫! 空のワインボトルを洗っておいて、これから飲むワインを一度その空ボトルに移し替え、もう一度もとのボトルに注ぎ戻してみてください。短時間『デキャンタージュ』したのと同じ効果が得られますよ。

今回は、どんな時に『デキャンタージュ』すると良いのか、まとめてみたいと思います。

なるほど! 『デキャンタージュ』する理由

なんといっても、その目的は、ワインを『開いている』状態にすること。ワインを酸素に触れさせることで、いわゆる『閉じている』状態から、強い渋みやアルコール感を和らげ、バランスの取れたワインの豊かな香りを楽しめるようにするのです。

VINUM-bottles

<ちょこっと補足>ワインの状態:『閉じている』&『開いている』
ワインのことを『閉じている』または『開いている』と表現することがあります。
『閉じている』ワインは、タンニンや酸味が強く、あまり香りを感じることができません。『デキャンタージュ』によって、渋みがやわらかくなり、ワイン本来の豊かな香りを楽しめる状態になります。これが『開いている』ワインです。

赤ワインの中でも、特に複雑でパワフルな味わいを持った若いワインは『閉じている』ものが多く、『デキャンタージュ』によって、グッとおいしく味わうことができたりします。

ちなみに、ワインを飲むときにグラスをクルクルする気になるあの動作。カッコつけだけでは、ありません! 同じようにエッジを和らげ、香りや風味を最大限に楽しめるようになる効果があるんですよ。

VINUM red-with-food

また、『還元臭』をもつタイプのワインの場合も、『デキャンタ』による効果に期待できます。この『還元臭』とは、ズバリ温泉の近くで感じる卵が腐ったようなにおいのこと。各ブドウ種が持つ香りを失わないように、醸造過程で使われる硫黄由来の酸化防止剤によるものです。この特徴的な香りは、『デキャンタ』に入れ、ワインが酸素に触れることによって、消えて無くなります。

それから、牧場のような強い土臭さを感じる自然派ワインが苦手な場合も、ぜひ試してみて欲しいです。『デキャンタージュ』してみると、ウッとなる香りは消えて、その陰に隠れていたフルーツの香りをもっと楽しむことができますよ。

♦︎自然派ワインについてはこちらの記事もどうぞ。

どのワインをどれくらい『デキャンタージュ』?

『デキャンタ』の効果が分かったところで、次は、どのワインの場合にどれくらいの時間すればいいのか、気になりますよね。

VINUM bottle-on-table

一番のオススメは、若くてパワフルな赤ワイン。ヴィンテージのまだ若く質の高い【ボルドー(Bordeaux)】、【バローロ(Barolo)】、南ローヌ(Rhone)地方の【ジゴンダス(Gigondas)】や【ヴァケラス(Vaquerays)】、またはアルゼンチン産の【マルベック(Malbec)】のトップクラスなど。・・・挙げだしたらキリがありません。この辺りのワインなら、飲む前に2時間くらい『デキャンタ』に移しておくと、ワインが開いて、より一層おいしくなります。

もしも『デキャンタージュ』による違いを実際に試してみたいなら、開栓直後にひとくち味見しておくのを忘れないでくださいね!

VINUM-manowar

また、冷蔵庫でキンキンに冷やす必要のない、濃厚で複雑な味わいをもつ白ワインにもオススメです。とはいっても、やはり赤ワインほどの効果はないのですが。

♦︎ちなみに、ワインとサービング温度の関係について、詳しくはこちらもどうぞ。

VINUMでは、この間、ニュージーランドの造り手であるマン・オ・ウォー(Man O’War)による【ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon blanc)】 + 【セミヨン(Semillon)】を飲んだのですが、これがボトルを開けたときは、なんとも硬く閉じている状態でした。そこで、この白ワインを適度に冷やし、『デキャンタージュ』。すると、鼻につく香りも消え、ワインの豊かな香りをバッチリ楽しむことができました。

VINUM Port-with-drawing

逆に、『デキャンタ』を使うべきでないワインもいくつかあります。

例えば、年代物のワイン。古くなったワインは、香りや風味が非常に繊細で、酸素に触れることであっという間に消えてしまうことがあるからです。もったいない!

また、【シェリー(Sherry)】や【マデイラ・ワイン(Madeira)】、【トウニー・ポート(Tawny Port)】などの『酒精強化ワイン(fortified wine)』も。これらは、すでに酸素とコンタクトしているので、わざわざ『デキャンタージュ』するメリットがありません。ただし、【ヴィンテージ・ポート(Vintage Port)】の場合は特別で、澱と呼ばれる沈殿物を取り除く目的で使われることがあります。

♦︎『酒精強化ワイン(fortified wine)』については、こちらでも少ーしだけ説明しています。参考まで。

コツを知っておくと便利な『デキャンタージュ』。ぜひ取り入れて、もっとおいしくワインを楽しみましょう〜!

ピックアップ記事

  1. <ワイン入門>分かりやすい!簡単マリアージュの基本 Part 3
  2. <ワイン入門>分かりやすい!簡単マリアージュの基本 Part 2
  3. <ワイン入門>正しい『マリアージュ』って何のこと?
  4. 本当に合うんです!お肉と白ワインの『マリアージュ』
  5. <ワイン入門>簡単にワインと料理を合わせる方法『同郷のマリアージュ』

関連記事

  1. VINUM Food-and-wine-picnic

    ワインの基礎知識

    <ワイン入門>分かりやすい!簡単マリアージュの基本 Part 3

    前に紹介した『マリアージュ』のヒントの続きとして、今回は料理とワインに…

  2. VINUM glasses-on-table

    ワインの基礎知識

    知ってる?ワインの種類とおいしい温度の秘密

    今年の夏は、イギリスもめずらしく暑い日続き。こんな日には、ちょ…

  3. VINUM French-flag

    ワインの基礎知識

    フランスワインラベルの読み方は『アペラシオン』にヒントあり!

    フランスワインといえば。産地を意味する『アペラシオン(Appe…

  4. VINUM Vegetables

    ワインの基礎知識

    <ワイン入門>簡単にワインと料理を合わせる方法『同郷のマリアージュ』

    『同郷のマリアージュ』とはレシピの生まれ故郷とワインの生産地を合わ…

  5. VINUM Food parings

    ワインの基礎知識

    <ワイン入門>正しい『マリアージュ』って何のこと?

    料理とワインの『マリアージュ』ってよく聞くけれど、「それって一…

  6. VINUM salmon-on-plate

    ワインの基礎知識

    「魚と赤ワインは合わない」はマリアージュの常識?それともウソ?

    結論から。魚と赤ワインの『マリアージュ』、アリなんです!昔…

Recent Posts

  1. VINUM-Oyako-Riesling2
  2. VINUM-orange-1
  3. VINUM_Banyuls-cheese
  4. Charcuterie-3_1
  5. Chairs in Greece

Archives

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)
  1. Nabe

    料理とマリアージュ

    <今日のマリアージュ>冬にぴったり!アルザス産【リースリング】 × とんこつ鍋
  2. VINUM-Oyako-Riesling2

    料理とマリアージュ

    <今日のマリアージュ>オーストリア産【リースリング】 × ふわとろ親子丼
  3. Stellenbosch_Vineyard

    料理とマリアージュ

    <今日のマリアージュ>南アフリカ産【ボルドー・ブレンド】 × ジビエ鳩肉のサラダ…
  4. meatball

    料理とマリアージュ

    <今日のマリアージュ>ドイツ白ワイン【ファルツ・リースリング】 × ミートボール…
  5. VINUM Yakitori-lantern

    料理とマリアージュ

    <今日のマリアージュ>お手頃でおいしい赤ワイン【グルナッシュ】 × 焼き鳥
PAGE TOP