地下に広がる石造りのワイン保管用スペースは無理だとしても、最先端の家庭用ワインセラーなんて憧れますよね。でも、これもなかなか手が出せないのが現実。
ここで、朗報です! お金をかけなくたって大丈夫。今回は、知っておくと便利なワイン収納のコツについて、意外な最新情報を含めてお伝えします。
リサーチによる公式見解: ワインは横置き保管しなくて良い!
最近発表された研究結果によって、ワインの保管方法に大きな変化が生まれそうです。
ポルトガルの研究チームによれば、コルク栓を用いたワインであっても、横向きに保管する必要はないということ。これ、お高いワインラックを買わなくても良いってことになります!
昔から、液体であるワインとコルクが触れるように、ボトルは横置きにすべきと言われてきました。これによって、コルクが乾燥してボトルの中に酸素が入り、ワインが変化してしまうのを防ぐためです。
ところが、注目の科学的リサーチによれば、ボトルを縦に置いてコルクがワインに触れない状態でも、ボトル内には十分すぎるほどの湿度が保たれているのだとか。コルクが乾燥してしまう心配も無いというわけです。
さらには、横置きにする方がデメリットが大きいとまでも。常に液体に触れていることで、コルクの劣化が早まる可能性があり、長期保存には適していないそうです。
ただし、スクリューキャップやガラス栓のワインなら、当然アレコレ考えずに好きな向きで保管して大丈夫です。
キッチンはさけて! ワインは極端な温度に弱い
長期にわたって高すぎる/低すぎる温度にさらされることや、急な気温変化のある場所に置くことが、ワインにとっての一番の敵だったりします。熱はワインの化学変化を加速し、いわゆる「熟成」を早めてしまうことになるからです。
30度を超えると、熱によってワインのもつ風味化合物の多くにダメージが与えられ、味わいを失ってしまいます。また、マイナス4度以下になると、ワインが凍り始めコルク栓が外れてしまうこともあるので注意。
保管場所としてキッチンを避けたいのも、このため。暖かく室温の変わりやすいキッチンは、ワインにとって非常にキケンなんです。素敵なインテリア雑誌などでも、ガスコンロの近くにワインラックを置いていたりしますが、本当にオススメしません・・・!
長期保管には、10〜12度が理想的と言われています。でも、1年くらいで飲むワインをストックしておくだけなら、18度を超えない家の中の涼しい場所に置いておけば、心配しすぎる必要はないと思います。
ワインは暗くて湿度が高いところが好き
ワインは、明るい光や乾燥しすぎた空気も苦手なもの。日光や蛍光灯を含め、長時間光にさらされたワインは、香りが損なわれてしまいます。ボトル自体に暗い色のガラスを用いたものが多いのも、このため。
また、適度な湿度を好みます。湿度が足りないと、コルクが乾燥する原因となってしまうからです。
じゃあ、結局どこに保管しよう・・・
これらの注意点を踏まえると、一般的な家庭ではどこが適しているのでしょう?
ヨーロッパはセントラルヒーティングが主流ですが、この場合、室温は21度くらいに保たれ空気も乾きがちです。だからといって、外にある物置だと、冬場にマイナス4度となる可能性があるので、やっぱりワインには向いていません。
家の中に比較的暗くて、ヒーターからも離れているところ、ありませんか? 階段下の収納スペースなども良いと思います。
我が家のワインも、普段は暗い床下物置に保管していますが、室温の低い冬場は部屋の隅にあるピアノの下に縦置きで並べたりしていますよ。
もしも乾燥が気になるなら、小さなボウルにお水を入れてワインボトルのそばに置いておくだけでも効果があります。
いろいろ気をつけることがあって難しそうですが、何年も保存しておくつもりが無いのなら、細かいことは気にしなくって大丈夫。ただしキッチンだけは、避けてくださいね・・・!