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ポルトガル北部【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】で造られるグリーンワインが、最近すっごく見直されていますね。
長年にわたって、この地方のワインは微発泡性でアルコール分が低く、とても飲みやいことで知られてきました。もちろん、それは今でも同じです。でも、それだけじゃないんです！ もっと試してみたくなるような色々な種類のワインがあるということ、紹介したいと思います。
まず最初に。【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】のこと、「ワインのスタイル」だと思っている人が多いのですが、実は、違います。そうではなくて、ポルトガルの『アペラシオン』にあたる『DOC(Denominação de Origem Controlada)』のひとつなのです。
＜ちょこっと補足＞ポルトガルの格付けDOCとは
ポルトガルのワインの格付けで、フランスのアペラシオン(Appellation)のようなもの。格付けは上から、以下の通り。
・DOC(Denominação de Origem Controlada}：原産地呼称統制ワイン
・Vinho Regional：生産地域表示ワイン
・Vinho de mesa：テーブルワイン
※フランスのアペラシオンについてはこちら。
Image: Vinho Verde
【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】では、40種類以上の地元ブドウ種を使って、いろいろなスタイルの赤・白・ロゼワインを造っています。この地域、さらに9つの小地区に分けられ、中には、ブドウ種やスタイルを特化したワインを造っているエリアもあります。そして、そんな小地区の単一品種ワインが、 『テロワール』と呼ばれるその土地の個性を色濃く反映していて、最近ワクワクするくらい面白いんです。
知っておきたい白ワイン種
まずは、【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】の白ワイン用ブドウの種類から。一般的には、下の表にあるブドウ種をブレンドして造られるのですが、最近は単一品種ワインも多く造られ、グッと注目を集めています。
と言うのも、実はスペイン北部のガリシア州では、【アルヴァリーニョ(Alvarinho)】と【トラジャドゥーラ(Trajadura)】（スペインでは別名【アルバリーニョ(Albarino)】と【トレイシャドゥーラ(Treixadura)】）を使った単一品種ワインを造るのが流行ってるのです。ポルトガルも、これに続かない理由はありません。
| ブドウ品種 | 小地区 | スタイル |
| アルヴァリーニョ (Alvarinho) |
モンサンとメルガソ | 最も上質な白ワイン用ブドウ種。スペイン産同品種よりも重みがありながら、心地よい口当たり。 特徴的な桃やアプリコットの香りとともに、たっぷりした酸味とミネラル感をもつ。 【Viognier(ヴィオニエ)】と【リースリング(Riesling)】を混ぜた感じ。 |
| アリント (Arinto) |
バスト、 アマランテ |
【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】全域で見られる品種。 洋ナシやさっぱりした柑橘系フルーツの香りと力強い酸味をもつ。 バストやアマランテなどの暖かい気候のエリアでは、この【アリント(Arinto)】100%の単一品種ワインが造られている。 |
| アヴェッソ (Avesso) |
アマランテ、 バイアン、 パイヴァ、 ソウザ |
今後にかなり期待できる複雑さをもつ品種。 しっかりした重みがあり、桃などの核果類やトロピカルフルーツの複雑な味わいを楽しめる。 特にバイアンでは、樽での発酵・熟成も行われている。 |
| アザル (Azal) |
アマランテ、 バスト、 バイアン、 ソウザ |
大量に栽培されている品種。さっぱりしたリンゴと柑橘系フルーツの香りに、程よい酸味をもつ。 ただし、単一品種のワインを造るのには、あまり適していない。 |
| ロウレイロ (Loureiro) |
リマ、 カヴァド、 アヴェ、 ソウザ |
白ワイン用品種のなかで一番多く栽培されているが、沿岸地域のものが最も良質。 フローラルな香りが特徴的で、この品種を使った『アンフォラワイン*』も造られている、とても興味深い品種。 *樽を使わず、ローマ時代の『アンフォラ』と呼ばれるつぼで発酵・熟成を行う |
| トラジャドゥーラ (Trajadura |
リマ、 カヴァド、 モンサンとメルガソ |
国境を超えてスペインで造られる【トレイシャドゥーラ(Treixadura)】と同品種。 桃などの核果類の甘い香りをもつブドウで、北のエリアで上質なものが造られる。 かなりおいしい単一品種ワインも出て来ている。 |
知っておきたい赤ワイン種
続いて、【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】の赤ワイン用ブドウの種類。白ワインほどは知られておらず、今のところロゼワインを造るのに使われていたりします。とは言っても、中にはぜひ飲んでみたい品種も（もしも手に入れば、ですが。）！
Image: Ricardo Bernardo
| ブドウ品種 | 小地区 | スタイル |
| エスパデイロ (Espadeiro) |
アヴェ、 ソウザ、 アマランテ、 パイヴァ |
ロゼを造るのに使われてるものの、フルーティなおいしい赤ワインを造ることもできる品種。 |
| ヴィニャン(Vinhão) | 全地域 | 赤ワイン用品種のなかで一番多く栽培されている。 ワインは渋みと強い酸味があり、しっかりとした味わい。料理と一緒に飲みたいワイン。 |
ワインと料理の『マリアージュ』
【ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)】で造られるワイン、ズバリ料理とよく合います。なぜなら、しっかりとした酸味をもっているワインが多いから。
昔から知られている『マリアージュ』と言えば、もちろん、いわしのグリルと。サラダを添えて、微炭酸性の軽い白ワインと一緒になんて、お昼ご飯としてパーフェクト！ 言うことがありません。
※こちらの記事で詳しく紹介しています。
ただし、単一品種ワインがどんどん伸びていることや、樽での熟成の研究も進んでいることから、今後はさらにいろいろな料理との組み合わせも期待できそうですね。
もしも、質の良い【アルヴァリーニョ(Alvarinho)】、【アヴェッソ(Avesso)】、【ロウレイロ(Loureiro)】、【トラジャドゥーラ(Trajadura)】のワインを見つけたなら、ぜひもう少し重みのある料理と一緒に試してみてください。カニやロブスター、鶏肉なんて合いそう。また、【アルヴァリーニョ(Alvarinho)】の中でも最上級のものなら、口当たりもしっかりして、良い酸味を持っているはず。お寿司と合わせるのも、とてもオススメです。
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