数あるパスタ料理の中でも、お気に入りのプッタネスカ。
ナポリ名物で、直訳すると「娼婦風パスタ」であるこの一品、その街と同様にパンチがあって刺激的。一度食べるとヤミツキになる味です。アンチョビ、ケッパー、ブラックオリーブに、ニンニクと唐辛子をピリリときかせた絶妙なトマトソース。由来は諸説ありますが、「娼婦風」なんて呼ばれたのも、なんとなく納得です。
ワインとの『マリアージュ』はどうでしょうか? 塩気と酸味があってピリッと辛いこのソース、実は意外とワインとの組み合わせが難しいんです。
ナポリ近くで造られる力強い味わいの白ワイン【フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ(Fiano di Avellino)】も試す価値アリですが、今回は、同じく南イタリア・カンパーニア州のブドウ種【アリアニコ(Aglianico)】を使った赤ワインに手を伸ばしてみました。これがすごく良い『マリアージュ』!
♦︎今日の組み合わせ:赤ワイン【アリアニコ(Aglianico)】 × ナポリ名物プッタネスカ
この【アリアニコ(Aglianico)】は、南イタリアのもっとも上質な赤ワイン用ブドウ種として昔からよく知られています。トップクラスのものだと、カンパーニア州の【タウラージ(Taurasi)】とバジリカータ州の【アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(Aglianico del Vulture)】。ともにDOCGとして認定されています。
どちらのワインもコクと渋みがあって、とてもパワフル。貯蔵してじっくり熟成させたいワインです。デキャンタして、お肉と合わせるなんて、良いですね。
<ちょこっと補足>イタリアの格付けDOCGとは
イタリアワインの格付けで、フランスのアペラシオン(Appellation)のようなもの。
最上級がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)になります。
格付けは上から、以下の通り。
・DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita):統制保証付原産地呼称ワイン
・DOC(Denominazione di Origine Controllata):統制原産地呼称ワイン
・IGT(Indicazione Geografica Tipica):地域特性表示ワイン
・VdT(Vino da Tavola):テーブルワイン
※フランスのアペラシオンについてはこちら。
今回オススメするのは、同じブドウ種のものでも、もう少し下の格付けのもっと若いワイン。飲み口も軽く、すぐに飲むことができます。
VINUMでは、カンパーニア州のワインの造り手カッジャーノ(Caggiano)のものをプッタネスカと合わせてみました。このワインメーカー、それはもうギュっと味わいのつまった【タウラージ(Taurasi)】で知られているのですが、その弟バージョンとも呼べる【タウリ(Tauri)】も造っています。ぐっとお手軽で、【アリアニコ(Aglianico)】独特の酸味を残していながら、さまざまな風味のバランスが取れていて、フルーティさも抜群。なるほど、オリーブやトマトともぴったりでした。
わりとガツンとくるワインなのですが、重すぎることもなく、刺激的なプッタネスカのソースとも良く合いましたよ。