champagne

ワインの基礎知識

  (Last Update:2019.02.28)

解説!シャンパンのラベル(エチケット)の読み方

一見分かりにくいシャンパンボトルのラベル(エチケット)。実は、よく見るといろいろな情報を得ることができるのです。今回は、シャンパンラベルの読み方について紹介したいと思います。

※フランスワインのラベルについては、こちらもどうぞ。

『アペラシオン(AOC)』表記

まずはじめに、ラベルに「Champagne」と書かれていることを確認します。シャパーニュ地方以外で作られたスパークリングワインには、この名前は認められていません。当然のことながら、どんなに見た目がそれっぽくても【シャンパン(Champagne)】ではないのでご注意を。

また、生産者名とともに、ランス(Reims)、エペルネ(Epernay)またはアイ(Aÿ)などの属するコミューン(村)の名前も記載することが義務付けられています。

残糖度

次に、糖度を確認してみましょう。ラベルには次のどれかが記載されているはずです。

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残糖度

ブリュット・ナチュール (Brut Nature/極辛口)

0-0.5g/l

エクストラ・ブリュット (Extra Brut/極辛口)

0-2g/l

ブリュット (Brut/辛口)

0-12g/l

エクストラ・セック (Extra Sec/半辛口)

12-17g/l

セック (Sec/半甘口)

17-32g/l

ドゥミ・セック (Demi-Sec/甘口)

32-50g/l

ドゥ (Doux/極甘口)

50+g/l

VINUM-Champagne-label

ほとんどのシャンパンは『ブリュット(Brut)』と呼ばれる辛口ですが、ワインの残糖度によって、『セック(Sec/半甘口)』または『ドゥ(Doux/極甘口)』などいろいろなタイプが存在します。ちなみに、フランス語のセック(Sec)という言葉自体は「辛口」を意味するのですが、ここでは辛口ではなく「半甘口(オフドライ)」として使われています。

ヴィンテージ表記

シャンパンがヴィンテージであるかどうかも、ラベルから読み取ることができる情報のひとつ。つまり、使用されているブドウが収穫年をまたいでブレンドされているか、またはある年のものだけを使っているのかが分かるのです。

champagne

例えば、「2010」など具体的な年が書かれている場合は、その年のヴィンテージのもの言えます。逆に、年がどこにも書かれていない場合は、ヴィンテージではないと判断して間違いありません。複数の年にわたって収穫したブドウを使っている場合、『NV(Non-Vintage)』と書かれていることもありますが、必ずしも記載しないといけないルールはありません。

ブドウ品種

特に大手メゾンの場合、シャンパンに使われるブドウについて細かい情報は載っていません。とは言っても、以下のキーワードを知っていれば、シャンパンに使用できるブドウ品種【ピノ・ノワール(Pinot Noir)】、【シャルドネ(Chardonnay)】または【ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)】のうち、どれがブレンドされているかを想像することが出来るんです。

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意味

ブラン・ド・ブラン(Blanc de Blancs)

シャルドネ(Chardonnay)】100%のシャンパン。

ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)

赤ワイン用ブドウ品種100%のシャンパン。つまり、

【ピノ・ノワール(Pinot Noir)】、ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)】またはこの2種のブレンド。

ロゼ(Rose)

3種のブドウがブレンドされている可能性あり。シャンパンのロゼは、ベースワインとしての赤ワインと白ワインが混ぜて造られることも。

VINUM-Champagne-label2

もしも、どの記載もないならば、3種のブドウがすべてブレンドされていると考えて良いでしょう。割合は生産者によって異なるものの、【ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)】のブレンドは少なめなのが一般的。

生産者の業態

また、ラベル表示から生産者の種別を知ることもできます。シャンパン・メゾンと呼ばれる生産家のように栽培農家からブドウを買って醸造しているのか、または栽培から醸造までのすべてを行っているのかというように。

次のどれかが、ラベルのどこかに小さな文字で書かれているはずなので、ぜひ探して確認してみて下さい。

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名称

意味

NM

ネゴシアン・マニピュラン

(Negociant Manipulant)

ブドウを栽培農家から購入してシャンパンを製造する。

ポル・ロジェ(Pol Roger)、テタンジェ(Taittinger)、ビルカール・サルモン(Billecart-Salmon)などいわゆる大手メゾンがこれにあたる。

CM

コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン

(Cooperative de Manipulation)

栽培家協同組合に属する農家が栽培したブドウを合わせてシャンパンを製造。ジャカール(Jacquart)など協同組合のブランドで販売される。

RM

レコルタン・マニピュラン

(Recoltant Manipulant)

自社畑で収穫したブドウだけでシャンパンを製造する。栽培醸造家。

SR

ソシエテ・ド・レコルタン

(Societe de Recoltants)

複数のブドウ栽培家が共同で醸造を行い、独自のブランドで販売する。協同組合とは異なる。

RC

レコルタン・コーペラテュール

(Recoltant Cooperateur)

栽培家組合に属する農家が、協同組合ブランドとは別に自身のブランドで販売する。

MA

マルク・ダシュテール

(Marque d’Acheteur)

大手スーパーマーケットやホテルの独自ブランドなど依頼により造られる場合。

ND

ネゴシアン・ディストリビュテュール

(Negociant Distributeur)

他のシャンパン生産者が製造し瓶詰めされた完成品を購入、自社ラベルを張り販売。ネゴシアン流通業者。

champagne

最後に、『レゼルヴ(Reserve)』や『キュヴェ (Cuvee)』などと記載されていることもありますが、これは造り手の希望次第で、表示の義務があるわけではありません。

次回シャンパンボトルを手にとったときは、ぜひラベルを読み解いてみてください!

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